CP+ 2023:4年ぶりの会場イベントをレポート( レンズ、アクセサリー周辺機器編 )

今回は後半戦ということで、カメラ本体を製造しているメーカーとは打って変わって、レンズやアクセサリー、周辺機器に注目してレポートをお届けしようと思う。特にレンズやジンバル、照明など周辺機器類はカメラと比べて製品によって大きく形やサイズ・重量が異なるため、会場イベントの付加価値が高いのは実はこちらの方では無いだろうか。

そんな視点でお送りする後半:レンズ、アクセサリー周辺機器編。それではご覧いただこう。

目次

タムロンブース

祭りをテーマに「青森」にフォーカスした展示となっており、会場には大型のねぶたが設置され周囲をぐるりと囲むように新製品をはじめとして多くのレンズが置かれ実際に試すことができた。また、参考展示のみでハンズオンはできないものの、開発中である11-20mm F/2.8 Xマウントなども見ることができる。注目の新製品は下記の2種類だ。

20-40mm F2.8 (Model A062)

20-40mm F2.8 (Model A062) はフルサイズ用として焦点距離20mm〜40mmの超広角から表示順域をカバーするレンズだ。F2.8でありながら全長86.5mm、重量365gと手軽なサイズ感であり、手軽に持ち運ぶことのできるポートレートの強い味方となるだろう。

50-400mm F4.5-6.3 (Model A067 )

50-400mm F4.5-6.3 (Model A067 )はズーム比8倍にもなる所謂便利ズームレンズであり、400mmも狙える望遠レンズながら、基本とされることの多い50mmの画角までシームレスに扱うことができるのが魅力だ。

SIGMA ブース

ずらりと多くのレンス・カメラが並び、改めてそのラインアップの広さに驚かされるSIGMAブース。新発売の製品が多く用意されているものの、そのほかにもfpをはじめとするカメラ製品やシネレンズなども用意され、加えて同じLマウントアライアンスに加入している Leicaのカメラなども試すことができた。こちらも注目製品は新製品のレンズ2種だろう。

SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art

すでに発表済みの85mm F1.4 DG DNに続くF1.4 Art 待望の50mmモデルだ。前モデルにあたるHSMのシリーズからコンセプトを引き継ぎつつも、ミラーレスが主流化した現在のカメラ事情に合わせ開発されており小型化に加え、重量は約26%減と大きく軽量化されている。※ Lマウントでの比較

SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports

明言はされていないが、おそらく60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports の後継と思われる本製品だが、こちらについてもミラーレスに合わせ開発されているとにより、約200gほど軽量化されている。唯一無二をうたう10倍ズームにより、遠近の激しいモータースポーツの撮影など正にSportsの名に相応しい活躍が期待できる。

ケンコートキナー / SLIK / ケンコープロフェショナルイメージング ブース

母体となるケンコー/ トキナー製品をはじめ多くのレンズやアクセサリー・周辺機器が取り揃えられており、おそらく展示製品数ではトップ層に食い込むだろう。商社としての側面も持つため海外メーカーの製品も多く展示されており、ライトのGODOX、ジンバルのMOZA、三脚のSLIKなど多様な製品を一度に見ることができるのが最大の魅力だ。そんな中であえて絞るとすれば下記の製品だろうか。

MOZA AirCross S

本体重量750gながら、最大1.8kgまで積載可能なコンパクトジンバル。軽いのもさることながら特筆すべきはその対応重量の広さで最小値で130gと、数値上はiPhone SE3からα7VIのような本格的なカメラまで搭載可能となっている。※iPhone SE3 約144g / α7VI ( バッテリーとメモリーカード含む ) 約658 g

Tokina SZ PROシリーズ 300mm F7.1 / 600mm F8 / 900mm F11

Makuakeにて先行販売されていたミラーレンズの実機実機がお披露目されている。反射工学系を採用することで通常のレンズではありえない驚異的な小型化を実現しており、APS-C用の300mmクラスが缶コーヒー以下のサイズといえばこの驚きが伝わるだろうか。構造上F値が大きくなってしまう側面はあるが、ノイズ除去ソフトの機能向上や高感度耐性の高いカメラも増えてきた昨今、ポケットに入る超望遠として面白い選択肢になり得るだろう。

他にも魅力的な製品が目白押し

ここまで主要なメーカーブースにフォーカスしつつ会場の雰囲気と共に製品を紹介してきたが、ここからは視点をかえてブースの垣根を超え、これは…!と感じた製品について紹介していく。

ZHIYUN MOLUS G60  / VANLINKSブース

世界初公開となるZHIYUNのスタジオライト。実際に測ったわけではなく恐縮だが、本体サイズは7-8cm四方ほどの大きさでありながら60Wの出力が可能となっている。同じくVANLINKSの取り扱いブランドであるNANLITEからも小型な60Wモデルは販売されていたが、そこに輪をかけて小さい真に手のひらサイズといえるだろう。参考展示のため価格や発売時期などは不明だが、自宅など限られた空間で撮影を行うユーザーや移動先に持ち運びたいシーンにおいて重宝するのは間違い無いだろう。

Insta360 Link / Insta360ブース

sta360シリーズのジンバル付きWEBカメラとなるInsta360 Link。AIによる人物認識はよく見かけるようになった機能ではあるが、追従精度が高く素早い動きにもシームレスに対応してくれる。主な用途としてダンス動画をアピールしているあたりにもその追従精度と速度への伺える。またオンライン授業で教師とホワイトボードを同時に写したり、画面を下向きに固定して書画カメラとして利用するなど教育 / ビジネス方面での利用も期待できそうだ。

DAIV デスクトップ新ケース / nikonブース

今回mouse computerは出展を見送ったようだが、先日発表されたDAIVの新ケースがnikonブースにて展示されている。旧ケースのハンドルやキャスターの搭載といった要素は受け継ぎつつも、昨今のグラフィックボードの大型化を受け内部スペースを拡大し冷却性能や拡張性の向上が測られているはずだが、流石に自社ブースでは無いためかその内部を窺い知ることはできなかった。実物のサイズが気になっている方はぜひチェックしてみて欲しい。

Bi Rod 10C-11500 / Bi Rod ( ルミカ )ブース

長11.5mもの長さを誇る一脚。一般的な3階建住居の屋根も撮影可能としており、実際の展示ブースでもかなりの高さから地上を見下ろす形で映像を映し出していた。近年はドローンなどでより手軽な空撮が可能にはなったものの法律上の観点などから、環境によって使用が難しいシーンなども多いだろう。また工事の際の確認作業や水中撮影など想像以上に用途の幅は広い。また専用の三脚オプションを使用することで自立させることも可能だ。

まとめ

各社魅力的な製品の出そろうCP+2023、いかがだっただろうか。
実際の会場の雰囲気や熱気などもお伝えすることができていれば幸いだ。

自宅にいながら各社の製品について知ることのできるオンラインイベントも手軽で良いものではあるが、やはり実際に自身で最新の製品に触れて、その場で担当者に話を聞くことができる会場イベントには代え難いものがある。

以下に開催概要の一部を記載しておくので、もし気になる製品やサービスがあるならば実際に会場に足を運んで、自身の目で確かめてみてほしい。CP+2023 会場イベントは2/26(日)までパシフィコ横浜にて開催中だ。

CP+2023開催概要(一部抜粋)

会期: 会場イベント:2023年2月23日(木・祝)~ 26(日)開場時間10:00~18:00 最終日のみ17:00まで
会場: 会場イベント:パシフィコ横浜
主催: 一般社団法人 カメラ映像機器工業会(CIPA)

https://www.cpplus.jp/outline/

前編はこちら

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