すでに色々な情報をお伝えしてきた「Anker Power Conference 2023 Fall」だが、筆者的に正式発表されるのではないかと期待している製品があった。それが、Eufyのロボット掃除機。
onesuite編集部のロボット掃除機担当(?)として、というのもあるにはあるが、本当の理由は別のところにある。
実は「Anker Power Conference 2023 Fall」が行われる約3週間前、我々onesuite編集部は密かに1本の記事を公開していた。それがこちらだ。
ロボット掃除機の愛用者からすると夢にまで見た、Eufyから登場した毛の絡まないロボット掃除機の記事である。当時は海外でのみ発売された製品だったため、海外情報を中心にまとめた形だったのだが「今度のカンファレンスで日本市場向けに発表されるのではないか…?」という期待を胸の内に秘めていた訳だ。
そして来る「Anker Power Conference 2023 Fall」、会場にて発表されたロボット掃除機は、なんと予想を超える3種。現地にて確認した実機の様子も交えて、早速紹介していこう。
ついに登場、髪の毛が絡まないロボット掃除機!Eufy Clean X8 Pro with Self-Empty Station
Anker独自の毛がらみ除去システムを搭載した自動ゴミ収集ステーション付きロボット掃除機がついに登場した。海外で販売されているモデルから名称も変わらず「ufy Clean X8 Pro with Self-Empty Station」のまま、詳細なスペック面もほとんど変更がなさそうだったため、細かく知りたい人はこちらを参照してほしい。
最大の特徴はなんといってもクシが搭載された専用のブラシ。通常であれば毛が絡みやすいメインブラシだが、クシを当てながら逆回転させることで絡みついた髪の毛を取り除く仕様になっている。
(→)サンプル機に搭載されていた実物のブラシ・クシ部分。動いているところは見ることができなかったものの、日本でも予定通りのものが手に入りそうだ。
前回取り上げた際に唯一の懸念として挙げていた「人間の髪の毛も対応するのか?」という点に関しては、担当者より「もちろん髪の毛にも対応している」と回答をいただいたので安心してほしい。筆者の想定通り、Ankerで行われている試験条件(重さ0.3g、長さ20〜30cmの髪の毛を対象に実施)的にも問題ないと判断しているようだ。
また、あくまで想定であり何も確約はない話だが、X8 Proの結果次第では他のモデルに毛がらみ除去システムを搭載する可能性も十分にあるとのことなので、期待して待ちたいところだ。
必要な機能全部盛り!ゴミ収集から水拭きの乾燥まで、Eufy Clean X10 with Omni Station
昨今のロボット掃除機界隈で、いわゆるフラッグシップと呼ばれるような最上位機種が備えている機能は、ほぼ似た系統に集約されつつある。それは「ゴミ吸引・ゴミ収集・水拭き・モップ洗浄・モップ乾燥」の5つを全自動でやることだ。もちろん各社オリジナルの機能が上乗せされていることも多いが、Roborock社やECOVACS社など、有名メーカーがこの5つを備えた機種を最上位としてリリースしている。
今回発表された「Eufy Clean X10 with Omni Station」は、ソレにあたる。
といっても発売日が来年春を予定しているため、詳細な性能までは残念ながらわかっていない状況ではあるのだが、ひとまず発表された内容を振り返っていこう。
まず大きな特徴としては、先ほどお伝えした通り”必要な機能全部盛り(ゴミ吸引・ゴミ収集・水拭き・モップ洗浄・モップ乾燥)”ということ。Ankerが展開しているEufyブランドとしては全部盛りの機種は今まで存在していなかったため、他社の流れに追従した形となる。
その”5つ”を実現する上で重要なのがステーション側なのだが、レイアウトとしては向かって右側にダストパッグボックス、左側手前が清水タンク、左側奥が汚水タンクという配置。
(→)汚水タンクを見せてもらった様子。とはいえモックだったので、内部の形状は今後変わるかもしれない。
次に特徴的なのが、水拭き掃除時のモップ加圧。
加圧式デュアル回転モップを採用しており、床に対して1kgの加圧と毎分180回転を維持するという。また、スライドを見る限りモップリフトも備わっているようだ。
その上障害物回避にはAI.Seeシステムを搭載しているようで、ケーブルやスリッパなど床に置かれた障害物も回避するという。
と、ここまで特徴をさらってきたのだが、正直なことをお伝えしよう。
あくまで情報がまだ出揃っていないことが要因なのだが、所感をまとめてしまうと現行機種の「Eufy Clean X9 Pro with Auto-Clean Station」に「ゴミ収集」機能を追加しただけ、という印象なのだ。
その「Eufy Clean X9 Pro with Auto-Clean Station」はステーション側でゴミ収集をすることができず、本体側のダストボックスからゴミを排出する必要があるのだが、その他のデュアル回転モップによる加圧・モップ洗浄・モップ乾燥、はたまたAI.Seeシステムまで、すべて備わっているモデルとなる。さらに外見に至るまで、実は結構似ていたりする。
もちろん来年初発売で情報が出揃っていない点、会場で展示されていたのもモックアップであったことから「実はこんなに違う」という展開に期待したいのだが、現状わかる範囲だと上記の内容が正直なところ。続報に期待したい。
まさかのMACHからロボット掃除機、MACH R1 Always-Clean
最後に紹介するのは掃除機でありながら水拭きを同時に行い、さらに110℃のスチームとオゾン水で徹底的に床を除菌する「マッハ V1 Ultra」をフラッグシップに今年登場した、MACHブランドからの刺客だ。
その名も「MACH R1 Always-Clean」。意味はわかるが見慣れない名称が付いているかと思う。 この”Always-Clean”が本製品の一番の特徴で、なんと水拭きに使用するモップを”常に綺麗にし続ける”のだ。まさに”Always-Clean”。
Always-Clean MopTMという名のこの仕組みは、水拭きをしたモップ(形状としてはほぼローラーに近い)を、水拭きした直後に綺麗な水で流すというもの。このおかげでロボット掃除機にありがちなモップで汚れを引きずることがなくなり、常に清潔を保ったまま床を掃除できるという。
会場での写真では少々わかりづらかったので、海外向けに発信されていた同映像を引用する。
引用元:https://mach.tech/mach-r1-always-clean-event
フローリングを掃除時(水拭き時)には動作し、カーペットを掃除時(吸引のみ)では自動的にオフになる。
なお、切り替わる段階でガタンと高さが変わっているかと思うが、よくあるモップリフト的な機能のようで、どちらかというと水拭き時に押し付けているような挙動をしていた。
また、MACHブランドらしさがステーションにもよく現れている。
スリムな設計をしているそのステーションは「UniClean StationTM」と言い、ゴミ捨て・モップの洗浄・乾燥だけでなく、オゾン水除菌・洗剤の投入というらしい機能を備えており、すべてを自動で完結する。オゾンが出てくるあたり、まさにMACH。
また、本体の基本性能としても申し分なく、基本的な動きはEufyブランドで培われた部分が生かされているようだ。
その上、新機能となる3D MatrixEyeTM を備え、高精度な3Dモデルを生成することで従来にないレベルの障害物回避性能を実現するという。どうやらドローンなどにも使われる高性能な識別機能らしく、現地ではカメラの前にかざした手のひらを識別している様子がデモンストレーションされていた。
こちらの「MACH R1 Always-Clean」も来年春の発売を予定しているとのことなので、詳細なスペックは続報を待ってもらえればと思う。
「髪の毛が絡まらず・常に清潔」Anker独自の進化を遂げる、ロボット掃除機
3つの新製品を紹介してきたが、いかがだっただろうか。
筆者的に待ちに待った髪の毛が絡まない「Eufy Clean X8 Pro with Self-Empty Station」が登場した嬉しさや、まさかの常に清潔「MACH R1 Always-Clean」と、なかなかボリューミーな発表だったかと思う。
基本的にロボット掃除機というのは1台しか運用しない家庭が多いと思うので、同メーカーからこれほど種類を出されてしまうと困る!というのが正直なところではあるのだが、Anker独自の進化が見えるイチ領域として楽しんでいただけたなら幸いだ。
毛がらみ除去システムの動向次第では我が家の住人が交代することになるので、可能なタイミングで実際の性能を探りたいところだが、お財布と相談しつつ次の住人を検討することとしよう…
製品詳細
製品名:Eufy Clean X8 Pro with Self-Empty Station
サイズ:本体 約35.0 × 35.3 × 10.0cm / 自動ゴミ収集ステーション 約19.5 × 15.5 × 38.4cm
重さ:本体 約4.0kg / 自動ゴミ収集ステーション 約2.7kg
ナビゲーションシステム:iPathTMレーザー・ナビゲーション
吸引力:最大4000Pa × 2
掃除時間:最大180分
販売予定価格:¥69,990(税込)
製品名:Eufy Clean X10 with Omni Station
ナビゲーションシステム:iPathTMレーザー・ナビゲーション
自動ゴミ収集システム:あり
モップ自動洗浄乾燥システム:あり
障害物回避機能:あり
販売予定価格:未定
販売開始予定:2024年春ごろ
製品名:MACH R1 Always-Clean
吸引力:最大 6600Pa
自動ゴミ収集システム:あり
モップ自動洗浄乾燥システム:あり
障害物回避機能:あり
販売予定価格:未定
販売開始予定:2024年春ごろ